請求の要旨

【1】四国電力伊方原子力発電所の再稼働は、八幡浜市民のみならず、立地先の伊方町民や周辺自治体住民など、おびただしい数の人々の暮らしや命を左右します。

この「再稼働」を今後どうするのかという重大な問題を、9月2日、大城一郎市長が、議会や市民に十分な説明や意見を求めることもなく、他のどの自治体よりも早く、中村県知事に対し「再稼働容認」との回答を出したのは、当事者である市民を軽視する行為だと考えます。

 

【2】私たちは、八幡浜市の主権者として、伊方原発の再稼働を認めるのか否か、その意思を表明する権利と責任を行使するため、住民投票の実施を求め、本条例の制定を請求します。


四国電力伊方原子力発電所の再稼働の賛否を問う八幡浜住民投票条例 (案)

【目的】

第1条 2011年東日本大震災を契機に発生した、東京電力福島第一原子力発電所の過酷事故は、広範囲に放射能汚染をもたらし、人々の生存に関わる深刻な被害をもたらした。この条例は、原発の隣接地である当市においても、同様の事態の可能性を考慮し、伊方原子力発電所の再稼働に対して、市民自ら賛否の意思を明らかにし、公平かつ民主的な手続きを確保するとともに、市民自治に寄与し、市政の健全な運営を図ることを目的とする。

 

住民投票

第2条 四国電力伊方原子力発電所の再稼働の賛否に関する市民の意思を明らかにするため、市民による投票(以下「住民投票」という)を行う。
2 住民投票は、市民の意思が正しく反映されるものでなければならない。この条例の解釈および運用は、市民の意見表明の自由を保障するとともに、市民の意思形成の機会を拡大させるよう行わなければならない。

 

住民投票の執行

第3条 住民投票は、八幡浜市長が執行する。
2 市長は、住民投票の管理について八幡浜市選挙管理委員会と協議し、これを委任する。

 

住民投票の期日

第4条 投票の期日(以下「投票日」という)は、市長が定める日曜日とし、投票の10日前に、これを告示しなければならない。

 

投票資格者

第5条 住民投票における投票の資格を有する者(以下「投票資格者」という)は、投票日において、八幡浜市選挙管理委員会の選挙人名簿に登録されている者とする。

 

投票方法

第6条 住民投票は秘密投票とし、投票は一人一票とする。
2 住民投票の投票資格者は、伊方原発の再稼働について、投票用紙の次の各号のいずれかの欄に、自ら○の記号を記載して、投票箱に入れなければならない。
  (1) 賛成
  (2) 反対
3 前項の規定にかかわらず、身体の故障その他の事由により、自ら投票用紙に記載することができない投票資格者は、規則で定めるところにより投票することができる。

 

投票所においての投票

第7条 投票資格者は、投票日に自ら投票所に行き、選挙人名簿またはその抄本の対照を経て、投票しなければならない。
2 前項の規定に関わらず、投票資格者は、規則に定める期日前投票を行うことができる。

 

投票の効力の決定

第8条 投票の効力の決定にあたっては、次条の規定の趣旨に著しく反しない限りにおいて、その投票をした者の意思が客観的に明らかであれば、その投票を有効とする。

 

無効投票

第9条 次の各号のいずれかに該当する投票は、無効とする。
(1)所定の投票用紙を用いないもの
(2)○の記号以外の事項を記載したもの
(3)○の記号のほか、他事を記載したもの
(4)○の記号を投票用紙の賛成欄および反対欄に、重複して記載したもの
(5)○の記号を投票用紙のいずれの選択肢の欄に記載したのか判別が難しいもの
(6)何も記載していないもの

 

住民投票の広報等

第10条 選挙管理委員会は、住民投票を実施する際、住民投票広報の発行、住民投票広報広告の掲載、公営掲示板の設置等、住民投票資格者が賛否を判断するのに必要な投票方法に関する広報活動を、規則の定めるところにより実施しなければならない。

 

住民投票運動

第11条 住民投票に関する運動は、自由とする。ただし、市民の自由な意思が拘束され、もしくは不当に干渉され、または市民の平穏な生活環境が侵害されるものであってはならない。

 

投票および開票

第12条 投票時間、投票場所、投票立会人、開票時間、開票場所、開票立会人、その他住民投票の投票および開票に関しては、公職選挙法、同法施行令、同法施行規則の規定の例によるものとする。

 

投票結果の告示等

第13条 選挙管理委員会は、開票を行い投票結果が確定したときは、直ちにこれを告示するとともに、当該告示の内容を市長および市議会議長に報告しなければならない。

 

投票結果の尊重

第14条 住民投票において、有効投票総数の賛否いずれか過半数に達したときは、市長および市議会は投票結果を尊重し、電力事業者、国および関係機関と協議して、伊方原子力発電所の再稼働に関する市民の意思が正しく反映されるよう努めなければならない。

 

規則への委任等

第15条 この条例に定めるものの他、住民投票の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
2 前項の規則は、本条例施行の日から、30日以内に制定しなければならない。

 

附則


施行期日

この条例は、公布の日から施行する。

 

失効

この条例は、投票日の翌日から起算して、90日を経過した日にその効力を失う。